リノベーションをお願いする会社が決まったところで、私は要望書を作成しました。私は自分の部屋をこんなふうにしたい、という具体的な方針をさらにブレークダウンしたものです。例えば、リビングはこんな感じにしたい、とか、照明はこんな感じ、キッチンはこんなところにこだわりたい、などでしょうか。わざわざ要望書を作らなくとも、予算と施工例を見せて、こんなイメージで、ということでもいいのかもしれません。しかし私の場合は、何から何まで自分で選ばねば気が済まないので、間取りから各設備のメーカー、ドアノブの形状に至るまでひとつひとつ細かく記した要望書を作成しました。実際に施工していく中で、要望書に記したもの全てが実現できるわけではないことも分かりましたが、そこは修正を繰り返していきました。

この工程は、リノベーション会社にイメージを伝えてふんわりとお願いするのならばそれほど一生懸命やらなくてもいいのかもしれません。でももしご自身で検討したい、というのであれば、要望書を作ってみたらいかがでしょうか。

そしてこのステップで重要なポイントは、

 ・寸法を図る
 ・ショールームなどで情報を集める

ことだと思います。

まず寸法を図ることは重要です。例えば、洗面台は三面鏡にしたい、と思っても、それが入るサイズなのかを知らなければ検討のしようがありません。リノベーション会社による下見もありますが、私は、自分でも部屋の内部あちこちの採寸をしました。最終的にはリノベーション会社としても壁を少し壊して中を見てみないとわからない、という部分もありました。しかし、自分で勉強したおかげで、全く見当違いのサイズ感の要望を出さずには済んだと思っています。サイズを測るときに注意すべきは、自分の頭の上もちゃんと見る、ということでしょうか。よく見たら梁があるため高さに制限があった、ということになると、計画が台無しになってしまいます。私の場合、梁のせいで洗面台と洗濯機の配置を変更しました。

まずインターネットでメーカーの名前を探し、商品のラインナップを確認し、数社の商品に絞りました。昨今、多くの情報はインターネットで入手できます。メーカーのホームページ以外にも、リノベーションに関する動画も時間の許す限り見て、各メーカーのものづくりの方向性のようなものを掴みました。

そして何よりショールームに行って実際に商品を見てみるというのも重要だと思いました。インターネットで見たのとは異なる印象、素材の場合もあります。

ショールーム巡りのポイントは、

 ・予約をしていくこと
 ・動きやすい服装で行くこと

です。

ほとんどのショールームは予約をしてから行くことになっています。そうすれば、きっちり担当者がついて説明をしてくれます。メーカー勤務経験があり充分情報を集めてから行った私ですが、現地で担当者から全く異なる視点で新しい情報を得るということも多々ありました。ショールーム予約の上購入に繋がった、ということで商品をもらえたケースもありました。

東京ですと、住宅関連機器メーカーのショールームは新宿駅周辺に集積しています。ショールーム間を歩いて移動、というケースもありましたし、それぞれのショールームではカタログをもらったりしますので、重いものを持ち運ぶ覚悟をしてください。運動靴とリュックサックという動きやすいスタイルで行った方が良いです。日差しの強い季節は日傘も必要です。

新宿界隈の旗艦ショールームが予約でいっぱいの場合は、郊外にあるショールームに行ってみるという手もあります。規模は小さいながら、多少、予約状況に余裕があるように思います。また、どうしてもこの商品のこの色が見てみたい、という場合、インターネットで展示内容を検索することができるメーカーも多々ありました。見たい商品の特定の色が、郊外のショールームだけに置いてあったケースもありました。

ショールームめぐりは本当に楽しいです。夢が広がります。あぁ、こんなキッチンが、こんなお風呂が、家にあったら最高!という感じです。しかし、欲望の赴くままに採用しようとすると、どんどんコストもかかりますので要注意です。私の場合はスペースが無くて妥協せざるを得ないことが多く、結果としてコストも抑え気味になりました。しかし、自分で足を運んで多くの選択肢の中から選んだことで、満足しています。